2012年12月07日

エネルギーの利用と国の強勢の歴史(次の時代)

石油の時代が終わろうとしているが、
次の時代に強勢を振るうのは、どこになるのだろうか?

21世紀はアジアの時代と言われている。
人口が多く、現在、勢振著しい国に溢れている。
一方で他の地域、アメリカやヨーロッパなどは衰退しており、
それぞれ問題を抱えている。

アジアの中で、この先、中心になれそうな国は、中国と日本ということになる。
これまでの記事では、オランダ、イギリス、アメリカとそれぞれの時代に
勢力を伸ばした国について書いた。
その一方で、それぞれの時代に、候補になりつつも、強勢を振るえなかった国がある。
これを、この先のことを考える上で、参考にしたい。

まずはスペイン。
そもそもスペインとオランダは同じ国だった。
当時のスペインは、地中海ではイスラム教徒を破り、
ポルトガルと合併して日の沈まない国とまで言われた大国だった。
そしてオランダは、その中で毛織物産業などの商工業が盛んな先進地域だった。
しかしカトリックの国王が、新教徒の弾圧を始め、新教徒の多いオランダにカトリックを強制しようとし、さらに重税をかけた。
これによってオランダでは独立戦争が始まった。
当時イギリスは、
オランダに毛織物産業の原料である羊毛を輸出し、同時にスペインの商船に海賊行為を仕掛けており、
オランダの独立を支援した。
スペインはイギリスの征服を断念し、オランダは独立する。
先進地域が独立してしまったスペインは、そのまま転落していった。
一方で独立したオランダは、石炭の時代になるまで強勢を振るい続けた。

次にフランスは、産業革命の時代まで、イギリスと競っていた。
近世にフランスが大国になったのは、宗教戦争であるユグノー戦争以後で、
ナントの勅令によって信仰の自由を認めた後の時代であった。
それが、再びナントの勅令の勅令が廃止されたため、
国内の新教徒であるユグノーがオランダやドイツなどの他国に移ってしまった。
ユグノーは豊かな商工者だったため、裕福な市民がフランスからいなくなった。
これがフランスの産業の発展を阻害し衰退を導いた。
その余波はフランス革命以後まで続き、イギリスと争うも、振るわず、
ナポレオンのフランスを破ったイギリスが強勢を振るうようになった。

そしてドイツは、第2次産業革命の時代にイギリスと争った。
ドイツの産業発展は、フランスでナントの勅令が禁止された為に、
新教徒が避難して来て西部に工業地帯を形成したことに始まる。
戦前のドイツは、特に重化学工業や機械産業で先端を走っていた。
ところが、第2次世界大戦の直前から、ユダヤ人を迫害し、
多くの科学者達がアメリカに移住した。
これらの亡命した科学者によって、たとえば原子力爆弾が作られた。
ドイツと争っていたイギリスは、第1次世界大戦、第2次世界大戦と戦いを続けるうちに
疲弊して没落していった。
一方でドイツの方は戦争に負け、人材も流出していった。
結果的に、ドイツと同じく第2次産業革命を押し進め、戦争に勝ち、
ドイツの人材を吸収したアメリカが第2次世界大戦後、石油の時代に強勢を振るうようになった。

最後にソ連。
ソ連は、戦後アメリカと争った。
第2次世界大戦後、重工業・軍需産業重視と国家による統制経済を重視した。
戦後直ぐは、占領地から工場などを回収し、経済も比較的好調であった。
また、ドイツから接収した人員や技術を用いて、核開発や宇宙開発を行い、
アメリカとしのぎを削った。
ソ連は官僚主体の計画経済であり、計画が順調な間は、
好調であったが、徐々に機能不全となっていった。
ソ連では、科学よりイデオロギーを重視したり、実情を無視したりして、
失敗することが多々あった。
官僚体制は硬直化し、原子力や航空宇宙産業でも遅れるようになった。
そして、重厚長大産業から軽薄短小産業への転換に失敗し、
戦後のコンピューターの進歩とハイテク産業において大幅に立ち後れた。
また、重工業や軍事産業以外の分野は、計画に置ける優先順位が低かったため、
発展が停滞した。
最終的には、経済的に疲弊し、ソ連は崩壊に向かった。

以上のように見ていくと、重要なことは、
その時代の先端を担っている人々が集まり、
自由に考えを述べ、試行錯誤ができる国が伸びている。
逆に迫害したり、時代に合わなくなったものを改めず押し進めると失敗している。

考えてみると、ヨーロッパが飛躍した切っ掛けは、
イタリアで始まったルネッサンス(古典復興運動)が、
もともとオスマントルコが非イスラム教徒を迫害し、
亡命して来たユダヤ教徒がイタリアに、当時の先端の科学(数学や錬金術、天文学等)や
ギリシャ古典を持ち込んだことに始まり、
逆に逃げ出されたイスラム世界は没落した。

このように見ていくと、現在の中国は、国が主体となって、
産業等を押し進めており、
先端を担う人々が自由に活動を行なう国ではないため、
しばらくは、次の時代を握ることは難しいと考えられる。
むしろ、今の感じだと技術者や富裕層が大量亡命をしそうにも見える。
日本は、どうかというと、制度的には、少なくとも活動の自由はある。
これを阻害するようなら、将来が危うくなってくる。
海外から富裕層や技術者が亡命してくるかは、微妙なところだ。
昔は、中国や朝鮮の上流階級や技術者などが亡命してくる国だったのだが。
逆に日本人の富裕層や技術が他国に亡命を始めるようになるなら、そこまでだろう。

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posted by 宗像 at 12:00| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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